研究の目的 心電図異常により心病変の疑われるサルコイドーシス症例を対象とした、前向きコホート研究である。 研究実施計画 他臓器で病理組織診断がついている、心電図異常を伴うサルコイドーシス症例を対象に (1)尿・血液検査、(2)循環器系一般検査:安静12誘導心電図、ホルター心電図、心エコー、心筋血流シンチ(^<99m>Tc-MIBI)、(3)特殊心電図検査:心室遅延電位(LP)、T波交互脈(TWA)、Heart Rate Turbulence(HRT)、(4)^<18>F-FDG PET/CT、(5)C-11 HED PET、(6)MRIを行う。 プロトコールにしたがって、4年後まで上記の検査を継続的に行い、エンドポイントして、死亡、ICD植え込み、VTの新たな発生、左室EFの低下を設定し経過を追跡する。 研究の成果 2012年5月末までの時点で心サルコイドーシス疑い症例7例、心サルコイドーシス;無治療群3例、治療群3例を本研究への組み入れを行った。2012年3月の時点までC-11 HED-PETの検査枠の確保が難しく、また緊急検査を組むことができなかったため、個々の症例の状況、検査日程の問題により本研究で予定していたPET検査のうち、C-11 HED PETが半数の症例で施行できなかった。また、すでにペースメーカーが植え込まれていたり、経過中にペースメーカーの植え込みが必要になった症例がおり、これらの症例ではMRIが施行できていない。また、2回目の検査が施行できた症例は現時点ではいない。そのため主たる目的であるエンドポイントの追跡はできなかった。治験責任者の留学により正式な形での研究継続はできないが、当科において継続体制が整えられており4年後に成果をまとめる予定である。
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