研究課題/領域番号 |
23790837
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
網谷 英介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80529090)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 高血圧・循環器 |
研究概要 |
血管内皮細胞や血球細胞より放出される1μm程度のvesicle構造はMicroparticle(MP)と呼ばれ、動脈硬化との関連など各種病態との関連が報告されてきているものの、MPの機能や性質の詳細については依然として不明のままである。昨今の研究よりMPは細胞細胞間でmiRNAなどの核酸物質、脂質、蛋白などを運搬する役割が報告され、さまざまな局面で重要なはたらきをなしていることが報告されてきている。今回、血管内皮細胞由来のMPに注目し、MPと内皮細胞機能との関連についてin vitro及びvivoの系にて検討し、内皮細胞からの病態の修飾の道を模索した。その結果lysosome関連のマーカーであるLAMP-1やLAMP-2などの分子でラベルされたMPが確認され、lysosomeを修飾するような薬剤によってMPの産生が修飾された。またlysosomeの染色を行った後live cell imagingを行うことで、lysosome関連のvesicleが細胞外に放出されるのが確認された。これらよりlysosome関連の蛋白を糸口にMPの解析を加え、さらに実際のヒトの末梢血においてさまざまな疾患と関連して変動するかしらべることがより有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
培養内皮細胞の検討の次の段階であるヒト検体を用いたMPの検討をする際には倫理申請の手続きが必要であり、申請までの時間を要したため、やや遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
今後vitroでの結果を参考として、ヒト検体を用いたMPの分離を行い、その動態把握につとめ、新たな内皮機能のマーカー検索をすすめていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度に得られたMPとlysosomeの関連という観点からのvesicleの細胞へのはたらきの解析をすすめる。またそのvesicleの作用部位を修飾する薬剤の創薬も含めて検討を行う。さらに何らかの効果を有する薬剤のdelivery systemとしてもvesicleは有用な可能性をもつものと考えられ、これらの検討もおこなっていきたい。今後も培養内皮細胞から分離されたMPの動態検討からはじめて最終的には末梢血液中のMPと現在臨床的に使われているFMDとを比較検討し、さまざまな疾患の形成に関連する内皮機能の評価系をさらに改善させる方法を検討する。
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