研究実績の概要 |
平滑筋インディケーターマウスよりiPS細胞を調整し、SMC分化培養系を確立した。最初の一日目のレチノイン酸刺激がSMC分化に必須であることが分かった。そこで、レチノイン酸受容体とクロマチン修飾に関与する因子に注目し、ChIP assay, DNA microarray等の方法を用いて解析を進めた。またヒストン修飾酵素、SWI/SNF complex subunit, CHD family, ISWI family, INO80 family, trxG complexes、DNAメチル化関連因子の発現変動を調べた。その結果、Lysine methyltransferasesであるSmyd2, Setdb2の二つの遺伝子は、培養開始6-12時間後に上昇し、24時間後以降に低下することがわかった。またDnmt3bはRA無しでは一日後に発現が上昇するのに対し、RA添加では発現が抑制された。以上より、培養一日目までにエピジェネティックな修飾が入り、細胞の分化運命が決定されるのではないかと考えている。 carotid ligationモデルを作製し、day0, 1, 2, 4, 7, 14のRNAを回収し、SMCマーカー遺伝子、KLF5の発現を調べたところ、day1でSMCマーカー遺伝子の発現が有意に低下していることがわかった。これより、ligationによる障害に応じたレスポンスがday1の段階で起こっていることがわかった。HMEsの発現を調べたところ、多くのHMEsの発現変動する事がわかった。
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