動脈硬化の原因の一つは、血管平滑筋細胞 (SMC)の脱分化であるため、SMCの分化・脱分化機構の解明を行った。iPS細胞にレチノイン酸を添加したSMC分化誘導系と、動脈硬化をミミックするマウス頸動脈結紮モデルにより、SMC分化・脱分化の際に多くのヒストン修飾酵素(HMEs)の発現変動が起こること、特にHME-Aは変動が大きいことが分かった。レチノイン酸受容体とHME-A抗体を用いてChIP sequencを行ったところ、血管炎症の原因として知られているFcgr2a遺伝子のプロモーターに強いピークが観察された。以上よりFcgr2a遺伝子はSMC細胞の分化脱分化に関与する可能性が示唆された。
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