研究課題
今回の研究では、アディポネクチンが血管内皮細胞に直接作用し血管新生を促進することにより、心肥大から心不全への移行に対し防御的に働くという仮説をたてて研究を開始した。アディポネクチンの心臓リモデリング抑制作用を検討する過程で、アディポネクチンパラログであるC1q/TNF-related protein (CTRP) familyに対しても着目して研究を行った。その中でもアディポネクチンとの相同性が最も高いCTRP9が、アディポネクチン同様に脂肪組織から最も発現が多いアディポサイトカインであることを見出し、CTRP9の投与がアディポネクチン同様にマウス心臓虚血再潅流モデルにおいて防御的に作用することを初めて見出した。CTRP9の心保護作用は心筋細胞のアポトーシスの抑制を介しており、シグナルとしてはAMPキナーゼシグナルを介して心臓虚血再潅流モデルにおける心臓リモデリングを抑制することを見出した。また虚血再潅流モデルでは血中、脂肪組織でのCTRP-9の発現が低下しており、血中の遊離脂肪酸が上昇、脂肪組織での酸化ストレス、炎症マーカーが上昇していたことより、心臓障害により脂肪組織でのリポリーシスが生じ、それにより炎症、酸化ストレスの上昇を来し、CTRP-9発現低下につながることが示唆された。今後CTRP-9もアディポネクチン同様に虚血性心疾患の新たな治療標的になると考えられる。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (2件)
FASEB J.
巻: 27 ページ: 25-33
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 428 ページ: 155-159
10.1016/j.bbrc.2012.10.031.
Circulation
巻: 126 ページ: 1728-1738
10.1161/CIRCULATIONAHA.112.115089.
Biochimie.
巻: 94 ページ: 2137-2142
10.1016/j.biochi.2012.06.008.
Nagoya J Med Sci. 74:19-30.
巻: 74 ページ: 19-30
J Biol Chem.
巻: 287 ページ: 18965-73.
10.1074/jbc.M112.357939.
巻: 287 ページ: 408-17.
10.1074/jbc.M111.261818.