研究課題
RSR-13はRSR-13の芳香環がヘモグロビンポケットにはまり込む事で効果を発生する。芳香環の側鎖をメチル基からClとBrに変換した化合物(SO1907)はRSR-13よりヘモグロビン酸素解離曲線を右方移動を認めたが、薬物濃度を低下させるとその効果は低下した。芳香環の側鎖をFに変換するとRSR-13より効果は低下し、IとIやC(CH3)3 とC(CH3)3など側鎖を大きくすると溶血を起こした。IとIへの置換では薬物濃度を下げると溶血を認めなかったが、SO1907を超える効果は発しなかった。溶血せず最大効果を発する化合物を検索するため、さらなる検索を行ったがClとIへの置換、BrとIへの置換などがSO1907と同等の効果を持ったのみで、我々の求める効果を発する薬剤は検索できなかった。次にRSR-13の骨格を変えて検討を行った。芳香環の隣の-(NH)-を-(N-CH3)-に変更したところ、RSR-13の薬効は失われた。NHの水素結合が薬効に重要と考えられた。論文的に酸素親和性の低下が期待された、芳香環の隣-(NH)-CO-(CH2)-の-(NH)-CO-(NH)-への変更では、メトグロビンが著明に増加した。-(NH)-CS-(NH)-への変更も同等であった。これらは副作用と考えられ実用化は難しかった。芳香環内の1つのCをNへ置換、-(NH)-CO-(CH2)-の-(NH)-CO-O-への置換も効果を発しなかった。RSR-13の右側の芳香環の側鎖にメチル基を付与したが、効果を発しなかった。芳香環の側鎖である-O-CH2-COOHを-O-CH2-CN4Hに変換したところ、SO1907と同程度のヘモグロビン酸素解離曲線を右方移動を認めた。今後、芳香環の側鎖の変更と、骨格の変更を組み合わせて、薬剤効果発現を研究していく必要がある。
すべて 2012
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nature
巻: 10 ページ: 251-255
10.1038/nature10992.