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2011 年度 実施状況報告書

心筋細胞傷害に対する新治療戦略:HMGB1マウスを用いた検討

研究課題

研究課題/領域番号 23790866
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

鈴木 聡  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60536944)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードHMGB1 / 心筋梗塞 / 血管新生 / GFPマウス / 放射線照射 / 骨髄抑制
研究概要

核内に存在する転写調節因子であるHigh-mobility group box 1 (HMGB1)遺伝子を心筋にのみ発現したトランスジェニック(HMGB1-TG)マウスを以前我々は独自に作成し、HMGB1が心筋梗塞を縮小することを明らかにした。本研究ではさらに、HMGB1により幹細胞が心筋傷害部位へ誘導され心筋細胞へ分化するのか、血管新生・再生が促進されるのかを in vivo で明らかにすることを目的としている。心筋梗塞巣へ骨髄由来の細胞が誘導され発現しているかを検討するため、HMGB1-TGマウスに green fluorescence protein (GFP) マウスの骨髄を移植する。Recipientである HMGB1-TGマウスに 9 Gy の放射線照射を行うことで骨髄細胞を死滅させ、DonorであるGFPマウスを屠殺し両側大腿骨と脛骨を摘出した。大腿骨と脛骨の骨髄内をPBSでフラッシュし採取した骨髄細胞2,000,000個をシリンジに入れ、29ゲージの針を用いて HMGB1-TGマウスの尾静脈より注入した。骨髄移植後、3-4週間で骨髄細胞がRecipientに生着したところで、HMGB1-TGマウスの冠動脈を結紮し心筋梗塞を作成した。現在、予定通りのプロトコールで実験は進行中であり、その組織学的変化を顕微鏡下で観察、梗塞周囲にGFP陽性の骨髄由来の細胞が認められるかを観察するために、凍結切片による心筋標本の作成を行っている。また心機能の変化についても野生型マウスとHMGB1-TGマウスとを比較することで、HMGB1の心筋傷害に対する修復能力の影響を、検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

骨髄移植の手技(29ゲージの針を用いてマウスの尾静脈よりDonor細胞を移植すること)が、非常に難儀であり習得困難であったため。現在は手技的には安定してきている。

今後の研究の推進方策

今後は組織学的検討による心筋梗塞巣の範囲や、心エコー検査による心機能の評価を野生型マウスとHMGB1-TGマウスとで比較する。またDonorであるGFPマウス由来の幹細胞が、血管新生や心筋梗塞巣の減少に寄与していると考えられるため、Donor由来のGFP陽性細胞の心筋梗塞巣への浸潤の程度を、同様に比較検討する。しかし骨髄移植が成功しても、心筋梗塞の作成により数日以内に死亡するマウスが多いのが問題点として挙げられる。今後は、移植する骨髄細胞を増やすことも検討している。

次年度の研究費の使用計画

研究費は今後、マウスの飼育やGFPマウスの購入、また組織学的検討を行うに当たっての染色に使用する試薬の購入、放射線照射装置や血球計算装置の使用、などにあてる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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