研究課題
我々が単離・同定した筋細胞に選択的に発現しているMURCは、骨格筋にも発現している。筋肉は全身のインスリン依存性ブドウ糖取り込みの約85%が行われる組織であり、骨格筋のカベオラにインスリン受容体が集積していることが示されていることより、MURCが糖代謝に関与しているのではないかと考え検討を行っている。骨格筋細胞においてMURCとcaveolin-3の共局在と、インスリン受容体とcaveolin-3の共局在を認めることより、カベオラにこれら3つの分子が存在していることが示唆された。さらに、MURCとインスリン受容体の結合を認め、MURCのインスリンシグナルへの関与が考えられた。MURCノックアウト(KO)マウスを用いグルコース負荷検査を行ったところ、野生型(WT)マウスに比べて、血糖の高値を認めインスリン抵抗性を呈している可能性が示唆されたが、インスリン負荷検査では差を認めなかった。そのため、脂肪食を負荷した状態で、MURC KOマウスにグルコース負荷検査やインスリン負荷検査を施行し、インスリン抵抗性の有無を評価する予定である。
2: おおむね順調に進展している
MURC KOマウスを用いインスリン抵抗性の有無について検討を行っており、MURCの糖代謝における役割の検討ができているため。
引き続きMURC KOマウスを用い、MURCの糖代謝における役割の検討を進めるとともに、MURCの血管病変に対する検討も行う。
本研究を遂行するために必要な消耗品に研究費は使用するつもりである。
すべて 2011
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Circ Cardiovasc Genet.
巻: 4 ページ: 349-358
10.1161/CIRCGENETICS.111.959866