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2012 年度 実績報告書

Toll様受容体シグナルによる肺傷害に対するインクレチン関連薬の治療効果

研究課題

研究課題/領域番号 23790924
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

沼田 尊功  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30366257)

キーワードインクレチン
研究概要

2型糖尿病治療戦略として重要なインクレチンは消化管由来のホルモンであり、glucose-dependent insulinotropic polypeptide (GIP) とglucagon-like peptide-1 (GLP-1) の2つがインクレチンとして機能する。ヒトにおいてGLP-1受容体は、膵臓、心臓、腎臓および脳に発現し、肺での発現の可能性も報告さえれている。ヒトII型肺胞上皮細胞の検討では、サーファクタント分泌がGLP-1受容体刺激薬、阻害剤により制御されることが報告されている。つまりインクレチンは、肺の機能制御においても重要な役割を担う可能性がある。生理的な呼吸器機能及び呼吸器疾患におけるインクレチンの役割を明らかにすることを本検討の目的とした。 前年度は各種培養細胞を用いてGLP-1受容体およびGIP受容体が発現しているか否かについての詳細な検討を行った。しかしながらmRNAとタンパクのいずれも明らかな発現が認められなかった。 本年度は実際の肺組織を使用し、免疫組織学的な手法を用いてインクレチン受容体の発現を検討した。正常、慢性閉塞性肺疾患、及び特発性肺線維症のホルマリン固定肺検体を用いて検討を行い、結果GIP受容体に関しては、いずれの肺組織においても、また上皮細胞、線維芽細胞含めて明らかな発現を認めなかった。一方GLP-1受容体に関しては、正常及び慢性閉塞性肺疾患の肺組織のII型肺胞上皮細胞で軽度発現を認めた。興味深いことに特発性肺線維症の肺組織では正常及び過形成を起こしたII型肺胞上皮細胞において高発現を認め、肺線維化進展病態における何らかの役割を示唆する所見と考えられた。以上検討より肺に存在する生理的な環境下のII型肺胞上皮細胞においてのみインクレチン受容体(GLP-1受容体)の発現が確認でき、今後の検討を行う上での重要な知見と考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Apoptosis inhibitor of macrophage (AIM) expression in alveolar macrophages in COPD.2013

    • 著者名/発表者名
      Jun Kojima
    • 雑誌名

      Respiratory Research

      巻: 14 ページ: 30-39

    • DOI

      10.1186/1465-9921-14-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Insufficient autophagy promotes bronchial epithelial cell senescence in chronic obstructive pulmonary disease.2012

    • 著者名/発表者名
      Satoko Fujii
    • 雑誌名

      Oncoimmunology

      巻: 1 ページ: 630-641

    • DOI

      10.4161/onci.20297

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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