常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、両側腎に多数の嚢胞形成を認める遺伝性疾患である。我々は、ADPKD患者より見出したpolycystin-2の局在異常を認める遺伝子変異であるTRPP2 697fsXを組み込んだトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。このマウスは、4週齢より蛋白尿、腎機能障害を認め、少なくとも6月齢で嚢胞形成を認めた。これらの結果より、TRPP2 697fsX TgマウスはADPKDのマウスモデルであると考えられた。今後、このモデルマウスを用いて、嚢胞形成の機序についてさらに解析を行う予定である。
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