IgA 腎症に関連する因子であるとされる糖鎖異常を有するIgA 分子による炎症制御機構の解明、糖鎖不全IgA の検出によるバイオマーカーの開発を目的として、当該年度における計画を実行した。 平成24年度計画の腎組織及び尿における糖鎖不全IgAの証明について検討を行った。①腎組織における糖鎖不全IgAを証明するため、ガラクトース不全を認識するHAレクチン染色を行い、画像解析にて本疾患においてはIgA沈着領域でのHAレクチン染色を検出することが可能であった。②糖鎖不全IgAの尿中バイオマーカーとしての有用性の検討のため、尿検体でのHAレクチンとシアル酸検出するSNAレクチンによるレクチンアッセイをおこない、組み合わせる方法を開発した。IgA腎症は他疾患と比較し有意な糖鎖不全IgA(HA/SNA比)を認めた。 これらの成果はPLoSOne誌に報告を行った。今後の研究進展に向けて他の腎病態での検討を計画している。
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