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2011 年度 実施状況報告書

難治性てんかん患者における中枢型睡眠時無呼吸と原因不明の突然死(SUDEP)

研究課題

研究課題/領域番号 23790971
研究機関東北大学

研究代表者

神 一敬  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20436091)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードてんかん / 突然死 / 睡眠時無呼吸 / 自律神経
研究概要

本研究を開始するに当たり、我が国における「てんかん患者にみられることが知られている原因不明の突然死,SUDEP (Sudden Unexpected Death in Epilepsy) 」の実態が不明であったので、まずは自験例の調査を行った。SUDEPの危険因子を後方視的に検討したところ、基本的には従来の欧米における報告と変わらなかったが、多剤併用や発作コントロール不良といった従来危険因子と考えられてきた因子が必ずしも危険因子とはならない可能性が示唆された。SUDEPの原因・病態の解明を追及する上で興味深い結果であり、昨年のアメリカてんかん学会で報告した。てんかんモニタリングユニットにおけるビデオ脳波モニタリングを行う検査体制はすでに確立され、毎週4名のモニタリング検査を行うことが可能となった。加えてこのうちの1例で終夜睡眠ポリグラフの同時記録を行っている。データ収集は順調に進んでおり、この中で同時記録中にてんかん発作を起こした興味深い症例も経験し日本神経学会東北地方会で報告した。この症例は発作時に中枢型無呼吸を呈した家族性両側側頭葉てんかんで、同時記録中に左右側頭葉に由来する発作を両方捉えることに成功し、左右で脳波上の発作起始と中枢型無呼吸の起始の時間的関係が異なるという興味深い所見を示した。SUDEPの病態を考える上で重要と考えている中枢型無呼吸の出現に、左右側頭葉で重要度が異なる可能性を示唆していた。心拍変動の周波数解析に関しても、発作間欠時のみならず発作時記録を順調に蓄積しており、発作時に特異的な心拍変動パターンを明らかにできる可能性がある。結果は現在集計中で本年12月のアメリカてんかん学会での発表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

検査体制の確立、データ収集がほぼ計画通り、順調に進んでいるので。

今後の研究の推進方策

2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で若干の遅れがあり、151,190円の次年度使用額が生じてしまった。しかし、概ね目標は達成しており、ほば計画通り順調に進展している。

次年度の研究費の使用計画

消耗品に関しては長時間ビデオ脳波モニタリングや終夜睡眠ポリグラフに用いる電極類・ペースト類・ディスポのセンサ類が初年度と同様に次年度にも必要となる.データの移送・保存のためにHDやUSBメモリーも必要である.これらに加え,年1回の国際学会,年数回の国内学会での発表を予定しており,研究代表者・研究協力者の2名分を計上している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Ictal central apnea を認めた家族性側頭葉てんかんの一例2012

    • 著者名/発表者名
      加藤量広
    • 学会等名
      日本神経学会東北地方会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2012年3月3日
  • [学会発表] Survey on causes of death in epilepsy patients: search for SUDEP risk factors in Japan2011

    • 著者名/発表者名
      神一敬
    • 学会等名
      アメリカてんかん学会
    • 発表場所
      米国メリーランド州ボルチモア
    • 年月日
      2011年12月3日

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公開日: 2013-07-10  

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