• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

難治性てんかん患者における中枢型睡眠時無呼吸と原因不明の突然死(SUDEP)

研究課題

研究課題/領域番号 23790971
研究機関東北大学

研究代表者

神 一敬  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20436091)

キーワードてんかん学 / 臨床神経生理学 / 臨床神経学 / 睡眠時無呼吸 / 自律神経
研究概要

初年度は、我が国における「てんかん患者にみられる原因不明の突然死,SUDEP (Sudden Unexpected Death in Epilepsy) 」の実態が不明であったため、まず自験例の調査を行った。SUDEPの危険因子を後方視的に検討したところ、基本的には従来の欧米における報告と変わらなかったが、抗てんかん薬の多剤併用や発作コントロール不良といった従来危険因子と考えられてきた因子が必ずしも危険因子とはならない可能性が示唆された。SUDEPの原因・病態を解明する上で興味深い結果であり、2011年のアメリカてんかん学会で報告した。
研究計画時にSUDEPの危険因子として注目していた中枢型睡眠時無呼吸に関しては、てんかん患者の発作間欠時(発作でない時)に観察されることが多い訳ではないと判明した。一方、発作時の中枢型無呼吸に関しては興味深い知見が得られた。すなわち、家族性両側側頭葉てんかん患者において、ビデオ脳波モニタリングと終夜睡眠ポリグラフの同時記録中に発作時の中枢型無呼吸を記録することに成功した。左右側頭葉に由来する発作を両方捉えることができ、左右で脳波上の発作起始と中枢型無呼吸の起始の時間的関係が異なる(左側頭葉起始の発作では無呼吸の出現が脳波上の発作起始に先行する)という興味深い結果が得られた。SUDEPの病態を考える上で重要な中枢型無呼吸の出現に、左右側頭葉の関わりが異なる可能性を示唆しており、2012年3月の日本神経学会東北地方会、2012年の日本てんかん学会で報告した。
さらに、本研究を通じて、心臓自律神経機能に関する重要な知見も蓄積された。とりわけ、側頭葉てんかんの発作時にみられる頻拍の出現や心拍変動パターンが、左右側頭葉に由来する発作でそれぞれ異なるということが明らかにされたため、結果を本年6月の国際てんかん学会で発表する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Ictal changes in heart rate and heart rate variability in mesial temporal lobe epilepsy2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Kato
    • 学会等名
      30th International Epilepsy Congress
    • 発表場所
      カナダ、モントリオール
    • 年月日
      20130623-20130627
  • [学会発表] 両側側頭葉てんかん患者における発作時無呼吸・心拍変化の検討2012

    • 著者名/発表者名
      加藤量広、神一敬、板橋尚、岩崎真樹、青木正志、中里信和
    • 学会等名
      第46回日本てんかん学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-10-11
  • [学会発表] 発作時徐脈を呈した側頭葉てんかんの3例

    • 著者名/発表者名
      向井由幸
    • 学会等名
      日本神経学会東北地方会
    • 発表場所
      仙台

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi