研究課題
αシヌクレインはパーキンソン病に分子病態においてもっとも重要な役割を果たしているタンパクである。グルコセレブロシダーゼはパーキンソン病のリスク遺伝子であるものの、その変異が神経変性に及ぼす役割はいまだわかっていない。グルコセレブロシダーゼがα-シヌクレインの上流で神経変性に関わっている可能性を考え研究を発案した。【平成23年度】グルコセレブロシダーゼ変異型fibroblast(wt/wt、R120W/L444P、RecNciI/L444P, N370S/N370S, L444P/L444P)を用い、4-methylumbelliferyl-beta-D-glucopyranoside (4-MUG)を基質として測定し、変異型ではグルコセレブロシダーゼ活性が著しく低下している事を確認した。野生型と変異型グルコセレブロシダーゼfibroblastではミトコンドリア複合体I阻害薬に対する反応が異なっており、野生型がオートファジーを生じるのに対し、変異型では、オートファジー誘導が野生型ほど強くなく、アポトーシスが認められた。【平成24年度】変異型fibroblastにおいて、オートファジー誘導を試みると、rapamycinではcaspase-3のcleavageが減弱し細胞保護的に働いた。変異型fibroblastではカテプシンBの発現・活性ともに誘導が抑制されていた。さらに、免疫沈降法によってグルコセレブロシダーゼとカテプシンBとのinteractionがみられた。以上の結果より、グルコセレブロシダーゼの変異はカテプシンBの活性を減弱させる事によって細胞毒性を発揮するものと考えられた。カテプシンBがαシヌクレインの分解に関わっているとすれば神経変性との関わりがあるものと思われたが、αシヌクレインがカテプシンBの基質である事を証明する事は出来なかった。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件)
BMJ Open
巻: 3(3) ページ: 2249-2249
doi:pii: e002249
Clin Neurol Neurosurg.
巻: 115(2) ページ: 208-209
doi: 10.1016/j.clineuro.2012.04.016.
神経治療
巻: 30 ページ: 57-60
undefined
臨床神経
巻: 52 ページ: 571-575
Mol Neurodegener.
巻: 7 ページ: 38-38
doi: 10.1186/1750-1326-7-38