研究課題/領域番号 |
23790975
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三澤 園子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30375753)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | クロウ-深瀬症候群 / 末梢血幹細胞移植 / 再発 |
研究概要 |
クロウ-深瀬症候群は形質細胞異常を背景に末梢神経障害、胸腹水、腎障害等の多臓器障害、皮膚変化など多彩な症状を呈する予後不良の疾患である。本研究は、クロウ-深瀬症候群の移植療法後の再発に注目し、再発に関連するリスクファクター及び病態を明らかにすること、サリドマイドの再発予防効果について検討することを目的とする。平成23年度はクロウ-深瀬症候群の移植後の再発に関するこれまでの疫学データの詳細な解析を再度行った。それにより、移植後の再発に関して、移植前治療の有無、移植前の病勢のコントロールが重要である旨の研究成果を得た。この成果に基づき、当初の予定を修正し、移植前のサリドマイド治療に関する臨床試験のプロトコールを作成した。また、クロウ-深瀬症候群の診断に関する研究成果、移植療法前の幹細胞採取高率に関する成果を公表した。また、クロウ-深瀬症候群の移植適応基準の見直しを行い、啓蒙活動を行っている。クロウ-深瀬症候群の再発に関連するサイトカイン探索を目的として、患者の血清採取及び保存を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時は、クロウ-深瀬症候群の移植後再発に関して、移植後の地固め療法が重要であると考えていた。しかし、臨床試験を開始するにあたり、移植後再発に関するこれまでの疫学データの詳細な解析を再度行ったところ、移植後だけでなく移植前治療の重要性が明らかになった。そのため、計画変更を行い年度当初の計画よりも臨床試験の開始が遅延している。しかし、詳細な疫学研究データ解析により、移植前治療の重要性、再発のリスク因子が明らかになり、移植適応基準の見直し、臨床試験計画の修正を行うことができたため、より被験者の安全性を確保し倫理面へ配慮した試験を計画できた。
|
今後の研究の推進方策 |
クロウ-深瀬症候群の移植関連死及び移植後再発を予防することを目的として、サリドマイドの移植前投与に関する臨床試験の計画の骨子が平成23年度に終了した。今後、本臨床試験を高度医療評価制度へ申請する準備を行う予定である。また、再発に関連するサイトカインを検討するため、平成24年度までに採取した血清検体を用いてサイトカインプロファイルの網羅的解析を行う予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
クロウ-深瀬症候群の末梢血幹細胞移植療法前のサリドマイド療法についての臨床試験の計画立案、遂行を目的とした、データ解析等の研究、事務作業などを進める。サイトカインプロファイルの網羅的解析を目的に研究を進める。以上に際し、物品費、旅費などを計上する計画である。
|