研究課題
1. パーキンソン病(PD)患者生体脳における酸化ストレスイメージングとして,62Cu-ATSMによるPETを用いた検討を行った.PD患者15名(男性7名,女性8名,平均72.2 ± 9.4歳)および正常対照(NC)者6名(全員男性,平均34.7 ± 9.0歳)を対象とし,62Cu-ATSM PETスキャンを行い,各被験者における線条体への集積度standardized uptake value(SUV)を産出した.その結果,両側線条体への集積の平均は,PD群(1.15±0.10)でNC群(1.08±0.02)より有意に高値であった(P<0.05).PD群においては,両側線条体への集積とUPDRS総点数との間に,有意な正の相関が認められた(r = 0.52, P < 0.05).以上より,62Cu-ATSM PETイメージングによって,PD患者における線条体の酸化ストレスの増加が明らかとなり,PDにおける黒質線条体系の神経変性に,酸化ストレスが関与することが示された.2. 脳神経疾患における酸化ストレスに関する研究として,ミトコンドリア病患者における血液中の酸化ストレスの検討を行った.ミトコンドリア病の原因となるミトコンドリア遺伝子A3243G変異を有する患者14名と,健常者34名に対し採血を行い,d-ROMsによる酸化ストレスと,BAPによる抗酸化力の測定を行った.その結果,d-ROMsは,健常者群に比べて患者群で有意に増加していた(P<0.005).とくに,ミトコンドリア病の中でもMELASと呼ばれる病型の患者群(10名)では,d-ROMs,BAPとも健常者群に比べて増加していた(P < 0.01).以上より,ミトコンドリア病患者は,常に酸化ストレスに晒されていることが明らかとなった.
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (8件)
Psychiatry Clin Neurosci
巻: 67 ページ: 128-129
10.1111/pcn.12019
Eur Neurol
巻: 69 ページ: 14-20
10.1159/000342217
モダンフィジシャン
巻: 33 ページ: 577-579
Brain Tumor Pathol
巻: 29 ページ: 47-53
Acta Radiol
巻: 53 ページ: 220-222
Nucl Med Biol
巻: 39 ページ: 177-185
循環器内科
巻: 72 ページ: 592-598
巻: 67 ページ: 232-237
10.1159/000336568
Biochim Biophys Acta - General Subjects
巻: 1820 ページ: 615-618
10.1016/j.bbagen.2011.04.018