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2012 年度 実績報告書

exosomeは髄液のバイオマーカーになりうるか

研究課題

研究課題/領域番号 23790993
研究機関広島大学

研究代表者

上野 弘貴  広島大学, 病院, 病院助教 (30457238)

キーワードバイオマーカー / 脳神経疾患 / 神経科学 / RNA
研究概要

Exosomeは一般的なウイルス粒子とサイズが同程度の脂質二重膜から成る分泌性のvesicleである。粒子径が小さいためこれまで存在が明らかでなかったが、現在あらゆる体液中に豊富に存在することが明らかになっている。最近急速に解析が進んでいるmiRNAのキャリアの一つがexosomeであり、各種体液中のexosomeは新規バイオマーカーを提供する試料と成り得るものである。本研究では神経疾患の診断に重要であるものの十分な疾患情報を得ることが困難であった髄液に関して、その中に含まれるexosomeを解析対象とすることにより髄液の診断価値をさらに高くすることを目的としたものである。まず血球分分画を遠心分離した後の髄液中の粒子を、粒子径計測器を用いて測定したところ、平均粒子径99.6~121.5nmの粒子が3.4~108~1.1×1011/mlの密度で存在していた。またその粒度分布はexosomeのそれと一致するものであった。一方exosome中に存在すると考えられるRNAをelectropherogramにて検討し、平均857pg/ulのRNAと考えられるシグナルが検出された。ただし泳動のピークは多峰性であり、多くが18Sにピークを有し、約3割のcaseにおいて一部のピークがmiRNAに相当する25nt付近に検出された。次にmirnaアレイチップにて髄液中のmiRNAの網羅的な解析を行った。チップでは221種のmiRNAが検出され、このうち18種は原液では測定限界を超える高濃度であった。以上のことから髄液中には一定量のexosomeが存在し、その中に含まれる複数のmiRNAは現在の一般的なアレイチップで充分検出可能であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Neuropharmacokinetic heterogeneity of mefloquine in the treatment of progressive multifocal leukoencephalopathy2012

    • 著者名/発表者名
      Ueno H, Matsumoto M
    • 雑誌名

      Intern Med

      巻: 51(16) ページ: 2259

    • DOI

      DOI:10.2169/internalmedicine.51.8079

  • [雑誌論文] The clinical characteristics of spinocerebellar ataxia 36: A study of 2121 Japanese ataxia patients2012

    • 著者名/発表者名
      Sugihara K, Maruyama H, Morino H, Miyamoto R, Ueno H, Matsumoto M, Kaji R, Kitaguchi H, Yukitake M, Higashi Y, Nishinaka K, Oda M, Izumi Y, Kawakami H.
    • 雑誌名

      Mov Disord

      巻: 41 ページ: 1158-63

    • DOI

      DOI:10.1002/mds.25092

  • [雑誌論文] Akinetic Mutism Caused by HIV-associated Progressive Multifocal Leukoencephalopathy was Successfully Treated with Mefloquine: A Serial Multimodal MRI Study2012

    • 著者名/発表者名
      Naito K, Ueno H, Sekine M, Kanemitsu M, Ohshita T, Nakamura T, Yamawaki T, Matsumoto M.
    • 雑誌名

      Intern Med

      巻: 51(2) ページ: 205-9

    • DOI

      DOI:10.2169/internalmedicine.51.6253

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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