研究課題/領域番号 |
23791006
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中村 正孝 関西医科大学, 医学部, 助教 (80575142)
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キーワード | 国際研究者交流 / アメリカ / pSmad2/3 / ALS / 培養細胞 |
研究概要 |
TAR DNA Binding protein-43(TDP-43)はユビキチン陽性封入体を伴う前頭側頭葉変性症(FTLD-U)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)のユビキチン陽性封入体の主要な構成蛋白として同定された。しかし脳内に認められる封入体にはC末断片が豊富に存在しているが、N末断片は少ない。一方脊髄に認められる封入体では、C末断片もN末断片も認められることから、同じTDP-43陽性封入体でも変性部位により、異なる変性機序が存在することが推測される。本研究は、TDP-43陽性封入体の部位別の変性機序の理解を進めることを目的とする。以前、ALSの脊髄前角細胞のTDP-43陽性封入体にTGF-βの主要なシグナル因子であるpSmad2/3が陽性反応を示すことを報告したことから 、今回pSmad2/3とそのE3リガーゼであるSmurf2に関して、ALSの様々な部位におけるTDP-43陽性封入体が、同様の免疫反応を示すか否か免疫組織化学的検討を行った。 結果、ALSの脊髄前角細胞と延髄舌下神経細胞のTDP-43陽性封入体には、pSmad2/3とSmurf2の免疫反応を認めたが、Betz細胞や海馬顆粒細胞などの脳内におけるTDP-43陽性封入体には、これらの免疫反応は認められなかった。このことから、ALSでは部位により、封入体形成過程や神経変性が異なることが推測された。この結果はALSの病態解明への新しい知見を得た点で意義があるものだといえる。 また、培養細胞下にTDP-43封入体を細胞質に形成させ、その封入体にpSmad2/3が含まれることを見いだした。患者脳に認められる異常を培養細胞内に再現できたことは有意義なものだと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度中に論文を投稿し、受理されたため。
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今後の研究の推進方策 |
培養細胞を用いて、封入体形成とTGF-beta-Smadシグナルの関与についてさらに検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表の旅費にあてるとともに、追加実験の消耗品にあてる。
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