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2013 年度 実績報告書

ポリグルタミン病におけるRNA代謝異常とRNA結合タンパク質

研究課題

研究課題/領域番号 23791007
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

紀 嘉浩  独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 客員研究員 (80415140)

キーワードポリグルタミン / RNA結合タンパク質 / 凝集体
研究概要

ポリグルタミン病は遺伝子のコード領域に存在するCAGリピートの伸長によって引き起こされる神経変性疾患の総称である。伸長したポリグルタミンは異常なタンパク質結合能を獲得し、自己凝集するとともに、他の細胞内タンパク質と非生理的に結合すことにより、各種の生体内分子経路を阻害すると考えられる。所属研究室の先行研究においては、いくつかのRNA・DNA結合タンパク質がポリグルタミンと生体内およびin vitroで相互作用することを示している。しかし、ポリグルタミン病においては転写制御異常がよく知られているものの、より広範なRNAプロセシング異常については、ほとんど検討がなされていない。本課題では、ポリグルタミンによる異常な影響を受ける可能性のある分子群としてRNA結合タンパク質を解析し、ポリグルタミン病におけるRNA代謝異常の実態とその影響を明らかにすることを目的とする。
前年度までに、マイクロアレイを用いたポリグルタミン病モデルマウスの解析などから、新規のRNAプロセシングの異常の存在が示唆された。また、ハンチントン病モデルマウスにおけるポリグルタミン凝集体構成タンパク質を同定した。そこで、本年度は、RNAプロセシング異常に関わる可能性のある有力な因子として、ポリグルタミン凝集体構成タンパク質の一つに注目し、その遺伝学的な部分的欠損がポリグルタミン病モデルマウスに与える影響を解析した。ここでは2つの異なるポリグルタミン病モデルを用いたが、興味深いことに、疾患によってこのタンパク質の部分的欠損の影響が異なることがわかった。この差は、ポリグルタミン病原因タンパク質との共凝集の程度や遺伝子発現変化の程度と相関していた。以上の結果から、ポリグルタミンによるタンパク質共凝集が疾患発症あるいは進行に寄与すること、転写・RNAプロセシング関連因子の異常が病態と関連することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Cyclin-dependent kinase 5 phosphorylates and induces the degradation of ataxin-22014

    • 著者名/発表者名
      Asada A, Yamazaki R, Kino Y, Saito T, Kimura T, Miyake M, Hasegawa M, Nukina N, Hisanaga SI
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 563C ページ: 112-117

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2014.01.046

  • [雑誌論文] Dexamethasone induces heat shock response and slows down disease progression in mouse and fly models of Huntington's disease.2014

    • 著者名/発表者名
      Maheshwari M, Bhutani S, Das A, Mukherjee R, Sharma A, Kino Y, Nukina N, Jana NR.
    • 雑誌名

      Human Molecular Genetics

      巻: 23 ページ: 2737-2751

    • DOI

      10.1093/hmg/ddt667

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FUS/TLS2014

    • 著者名/発表者名
      紀 嘉浩、貫名 信行
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 医学・医療のいまがわかるキーワード 2014

      巻: 249 ページ: 438

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公開日: 2015-05-28  

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