研究課題
抗MuSK抗体による重症筋無力症 (MuSK-MG) は、急激な症状の悪化や筋萎縮に至る重症ケースが多いため、早急に治療の方針計画を立てる必要がある。しかしながら、現在の治療指針は抗AChR抗体による重症筋無力症に合わせて策定されているため、成因の全く異なるMuSK-MGの病態に必ずしも適さない可能性がある。本研究では、申請者が作製したMuSK-MGの動物モデルを用いて、MuSK-MGに対して真に有効な治療法・治療薬を探索・検討し、新たな治療指針を提言することを目的とする。前年度までの成果から、MuSK-MGは神経筋シナプスの形態・機能の維持機構が破綻することで発症することが明らかとなってきた。従って、神経筋シナプスの維持機構を解明することが、MuSK-MGの病態機序の理解と新規治療法の探索に重要であると考えられた。平成24年度は、MuSK-MGの発症によって神経筋シナプスで生じる遺伝子発現の変化を網羅的に解析するため、ポストシナプス近傍に存在するサブシナプス核から転写されるmRNAを特異的に分離精製する遺伝子改変マウスの作製を行った。神経筋シナプス領域で遺伝子発現レベルが高いアセチルコリン受容体のイプシロンサブユニットのプロモーター配列をクローニングし、EGFP-L10a (L10aはリボソームタンパク) 融合遺伝子の上流に配置して、遺伝子改変マウス作製のためのベクターを作製した。作製したベクターを培養筋芽細胞株のC2C12に導入して分化誘導を行うと、筋管の形成に伴ってEGFPの発色が核と細胞質に認められ、遺伝子改変マウスのベクターが適切に作製できたと考えられた。現在、このベクターを用いて遺伝子改変マウスを作製中である。
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