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2011 年度 実績報告書

アディポネクチン新規受容体の同定と,その抗糖尿病作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791019
研究機関東京大学

研究代表者

粟澤 元晴  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90466764)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワードアディポネクチン / IL-6 / IRS-2 / STAT3 / 糖尿病 / メタボリック症候群 / 肝臓
研究概要

研究者はこれまでの研究で,アディポネクチンがマウス肝臓STAT3を活性化し,これに付随して血中IL-6濃度が上昇する事を確認していたが,そのIRS-2発見上昇との関連は明らかではながった.研究者はIL-6欠損マウスにアディポネクチンを投与,肝臓のSTAT3活性化,IRS-2発現誘導が消失することを確認した.更に,神戸大学医学部(春日雅人教授,現国立国際医療センター研究所長)より肝細胞特異的なSTAT3欠損マウスを供与頂き,このマウスでアディポネクチンを投与後の肝IRS-2の発現誘導が消失する事を確認,IL-6の誘導,及びそれに引き続く肝細胞でのSTAT3活性化が確かにアディポネクチンによる肝IRS-2の発現上昇に必要である事を証明した.さて,これまで肝臓において,STAT3の活性化がIRS-2の発現を制御するという報告はなかった事から,アディポネクチン投与後のマウス肝臓のサンプルを用い,STAT3のIRS-2プロモーター領域への結合をクロマチン免疫沈降(ChIP)アッセイによって示した(ChIp)アッセイについては,国立成育医療研究研究所システム発生・再生医学研究部浅原弘嗣教授にご教授戴いた).また,アディポネクチンによるIRS-2の発現亢進が,実際にインスリン感受性の増強に関与するが否かについて,病態モデルマウスにアディポネクチンを投与した後,インスリン刺激による肝臓でのインスリンシグナルが増強する事,更にこの条件下でピルビン酸負荷試験を行い,肝糖新生の抑制が確かに増強する事を示した.以上により,本研究において,アディポネクチンが,未知の受容体AdipoR3を介してIL-6を誘導し,引き続いてIL-6が肝臓においてSTAT3を活性化しIRS-2の発現上昇をもたらすという仮説を実証,アディポネクチンによる抗糖尿病作用の一端を解明する事が出来た.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Adiponectin enhances insulin sensitivity by increasing hepatic IRS-2 expression via a macrophage-derived IL-6-dependent pathway2011

    • 著者名/発表者名
      Awazawa M, et al
    • 雑誌名

      Cell Metabolism

      巻: 13(4) ページ: 401-412

    • DOI

      10.1016/j.cmet.2011.02.010

    • 査読あり
  • [学会発表] アディポネクチンによる抗糖尿病作用の新規メカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      粟澤元晴
    • 学会等名
      日本糖尿病・肥満動物学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-11-05
  • [学会発表] アディポネクチンによる新たなインスリン感受性亢進作用の同定2011

    • 著者名/発表者名
      粟澤元晴
    • 学会等名
      日本糖尿病学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011-05-19

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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