IRF-4を介した1型糖尿病の治療開発を目的として、IRF-4欠損NODマウスの作成・解析を行った。IRF4ホモ欠損NODマウスのみではなく、ヘテロ欠損NODマウスにおいても、自己免疫性糖尿病・膵島炎・インスリン自己抗体の産生の強い抑制が認められた。養子移入実験ではCD4+T細胞とCD8+T細胞の両サブセットのエフェクター機能にIRF4が必須であることが証明された。IRF4の発現はCD4+細胞においてmemory T細胞やIL-17産生細胞の低下と関連した。また、CD8+T細胞ではエフェクター分子であるGranzyme Bの発現低下と関連した。IRF4はNODマウスの自己免疫性糖尿病の病態においてT細胞のエフェクター機能に必須であり、ヒト1型糖尿病の治療標的として重要な分子である可能性を見出した。
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