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2012 年度 実績報告書

新規に樹立したグレリン細胞株によるグレリン生合成、分泌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791052
研究機関京都大学

研究代表者

岩倉 浩  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20378615)

キーワードグレリン / 細胞株 / 分泌調節
研究概要

これまでの研究で、我々は、世界で初めてグレリン分泌細胞株MGN3-1細胞を樹立することに成功した。昨年度までに、ペプチドホルモンのうち、オキシトシンがグレリン分泌を刺激し、一方で、ソマトスタチンがSSTR2受容体を介して、インスリンがインスリン受容体を介して、グレリン分泌を抑制することを見いだした。また神経伝達物質のうち、アドレナリンがβ1受容体を介して、また、ドーパミンがD1受容体を介してグレリン分泌を刺激することを報告してきた。グレリン細胞は主に胃や十二指腸といった消化管に存在することから、グレリンは、ペプチドホルモンや神経伝達物質による調節以外にも、栄養素によって調節を受ける可能性が考えられる。よって、今年度は特に、栄養素のグレリン分泌に与える影響について検討を行った。グレリン血中濃度は、摂食によって低下することから、グルコースの影響をまず検討した。培地中のグルコース濃度を変化させてもグレリン分泌には大きな影響は認められず、グルコースの役割は大きくないと考えられ、むしろインスリン等を介した間接的なグレリン分泌抑制が考えられた。脂肪酸に関しては、中鎖脂肪酸、特にオクタン酸、活性型グレリンの分泌を有意に増加させた。一方で長鎖脂肪酸であるオレイン酸はグレリン分泌をむしろ低下させた。アミノ酸については、一部のアミノ酸がグレリン分泌を有意に上昇させることを見いだし、現在さらに詳細な分子機構について検討中である。以上の結果から、栄養素がグレリンの産生、分泌調節に重要な役割を果たしていることが明らかとなり、さらに検討を進めることがグレリンの病態生理学的意義のさらなる理解につながることが期待される。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Adrenal tumor volume in a genetically engineered mouse model of neuroblastoma determined by magnetic resonance imaging.2012

    • 著者名/発表者名
      Kawano K, Hattori Y, Iwakura H, Akamizu T, Maitani Y
    • 雑誌名

      Exp Ther Med.

      巻: 4(1) ページ: 61-64

    • DOI

      doi:10.3892/etm.2012.564

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transgenic mice overexpressing ghrelin or ghrelin analog.2012

    • 著者名/発表者名
      Ariyasu H, Yamada G, Iwakura H, Akamizu T, Kangawa K, Nakao K.
    • 雑誌名

      Methods Enzymol.

      巻: 514 ページ: 371-7

    • DOI

      doi:1016/B978-0-12-381272-8.00023-4.

  • [雑誌論文] Sensing of fatty acids for octanoylation of ghrelin involves a gustatory G-protein.2012

    • 著者名/発表者名
      Janssen S, Laermans J, Iwakura H, Tack J, Depoortere I.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7(6) ページ: e40168

    • DOI

      doi:10.1371/journal.pone.0040168.

    • 査読あり
  • [学会発表] グレリン産生細胞株樹立によるグレリン生合成、分泌機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      岩倉 浩
    • 学会等名
      第86回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      20130425-20130427
  • [学会発表] アミノ酸によるin vitroでのグレリン分泌機構の解明2013

    • 著者名/発表者名
      小山博之
    • 学会等名
      第86回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      20130425-20130427
  • [学会発表] 膵島内グレリン過剰発現がストレプトゾトシン誘導β細胞障害に与える影響の検討2012

    • 著者名/発表者名
      坂東美佳
    • 学会等名
      第32回日本肥満学会
    • 発表場所
      ホテルグランビア京都
    • 年月日
      20121011-20121012
  • [学会発表] ストレプトゾトシンによるβ細胞障害に対する膵島内グレリン過剰発現の影響の検討2012

    • 著者名/発表者名
      坂東美佳
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20120517-20120519

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公開日: 2014-07-24  

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