研究概要 |
本研究の2年目としては、下垂体BMP/activinと下垂体作動薬の「シグナル連関」および視床下部「メタスチン」活性について分子レベルで探究し、in vitroの結果を「in vivoにおいて検証」することを目的とした。 視床下部細胞においてはBMPとメタスチンシグナルの相互関係を探索した。視床下部細胞でのエストロゲン受容体およびBMP受容体/Smad経路の存在を確認した。メタスチンにより、GnRHの分泌変化を確認し、BMPシグナルの変化について検討した。BMP特異的な転写因子であるSmad1/5/8やactivin/TGFβの特異的転写因子Smad2/3蛋白のリン酸化について、特異的リン酸化抗体を用いたWestern immunoblotにより検出し、また、Smad1/5/8特異的reporter assayにより定量的に評価した。さらにゴナドトロープ細胞を始め下垂体ホルモン分泌に寄与するシグナルとして重要なMAPK: ERK1/2, p38, SAPK/JNKの活性化についても、Western blottingおよびMAPK特異的reporter assayを用いてMAPK活性化強度の変化を検出した。この結果は日本内分泌学会に報告した。 現在、下垂体・視床下部に存在する内因性activinシグナルによるBMPシグナルに対する干渉作用も考慮されるため、BMP受容体およびメタスチンシグナル伝達間interactionについて、BMPシグナルを特異的に抑制するfollistatin/nogginを用いてアプローチしている。
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