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2012 年度 実績報告書

BMP‐6に着目したアルドステロン分泌の制御とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 23791058
研究機関岡山大学

研究代表者

塚本 尚子  岡山大学, 大学病院, 助教 (90601302)

キーワードアルドステロン / 副腎 / BMP
研究概要

レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制する降圧薬として、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)やアンジオテンシンII(Ang II)タイプ1 受容体拮抗薬(ARB)による有効性が知られるが、アルドステロンの抑制効果が減弱する「アルドステロンブレイクスルー現象」により再上昇したアルドステロンは、心腎血管障害などの臓器障害を惹起することが臨床的に問題となる。我々は以前に副腎皮質からのアルドステロン合成においてAng II と協調作用をもつBMP-6について報告し、副腎皮質に発現するBMP-6 がAng II によるアルドステロン産生を刺激し、一方でactivin はACTH によるアルドステロン産生を促進する機序を明らかにした。今回の研究では、ラットを用いて、内因性BMP-6 阻害によるアルドステロン産生能の変化をin vivo において検証した。BMP-6抑制モデルを作成し、アルドステロン分泌能の変化および副腎組織でのアルドステロン合成酵素の発現変化を中心に検討した。結果として、BMP-6抑制群において、尿中アルドステロン排泄量の有意な減少が認められた。しかしAng II 投与ラットでは、BMP-6 抑制による尿中アルドステロン分泌の抑制作用は減弱した。BMP-6 を抑制したラット副腎において、アルドステロン合成酵素CYP11B2 mRNA レベルの有意な抑制を認め、尿中アルドステロン排泄量と副腎におけるCYP11B2 の発現レベルは正の相関を呈した。さらに、BMP-6抑制ラットにおける血漿中のアルドステロン/コルチコステロン比は、BMP-6 抑制群において有意な低下を認めた。これらの結果を通じて、in vivo における内因性のBMP-6 は、副腎皮質におけるアルドステロン産生能において1つのキーファクターであることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Estrogen facilitates osteoblast differentiation by upregulating bone morphogenetic protein-4 signaling2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Matsumoto,Fumio Otsuka, Mariko Takano-Narazaki, Takayuki Katsuyama, Eri Nakamura, Naoko Tsukamoto, Kenichi Inagaki, Ken-ei Sada, Hirofumi Makino.
    • 雑誌名

      Steroids

      巻: vol.78 ページ: 513-520

    • DOI

      10.1016/j.steroids.2013.02.011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of bone morphogenetic protein activity in somatostatin actions on ovarian steroidogenesis2012

    • 著者名/発表者名
      Eri Nakamura, Fumio Otsuka, Kenichi Inagaki, Naoko Tsukamoto, Kanako Ogura-Ochi, Tomoko Miyoshi, Kishio Toma, Masaya Takeda, Hirofumi Makino
    • 雑誌名

      The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology

      巻: vol.134 ページ: 67-74

    • DOI

      10.1016/j.jsbmb.2012.10.018

    • 査読あり
  • [学会発表] 筋強直性ジストロフィー合併原発性副甲状腺機能亢進症の一例2013

    • 著者名/発表者名
      塚本尚子
    • 学会等名
      第21回臨床内分泌代謝Update
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ
    • 年月日
      2013-01-18
  • [学会発表] 下垂体コルチコトロープにおけるACTH分泌制御機構:GHRP/CRHとBMP-4の機能連関

    • 著者名/発表者名
      塚本尚子
    • 学会等名
      第85回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
  • [学会発表] コルチコトロープ細胞におけるACTH分泌調節に及ぼすメラトニンとBMP-4の役割

    • 著者名/発表者名
      塚本尚子
    • 学会等名
      第39回日本神経内分泌学会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
  • [学会発表] メラトニン受容体刺激によるACTH分泌抑制とその機序の検討

    • 著者名/発表者名
      塚本尚子
    • 学会等名
      第86回日本内分泌学会学術集会
    • 発表場所
      仙台国際センター

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公開日: 2014-07-24  

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