研究課題
前年度までの研究により、ヒト単球由来樹状細胞(hMoDC)においてFoxO3aはCD80/86の発現を抑制することでDCの活性化を制御していることが示された。次にLPS刺激によるDC活性化時における細胞内FoxO3a局在の変化とリン酸化を経時的に調べた。LPS刺激から30分後にはFoxO3aの核外への移動が観察された。さらにFoxO3aに対するリン酸化FoxO3a比はLPS刺激15分後から上昇し、30分後には約2倍となった。LPS刺激後FoxO3aは速やかにリン酸化され、核外へ移動することでDCにおける抑制が解除され、CD80/86発現上昇を誘導することが示唆された。次にLPS刺激後CD86 mRNA量を経時的に定量したところ、6時間後から上昇が認められ、12時間後には約2倍、24時間後には約6倍に増加した。一方、FoxO3a mRNA量は6時間後までは発現量が変化しないが、12~24時間後には約8倍に急増した。FoxO3a発現上昇はCD86発現上昇よりも遅れて観察されることから、DC活性化に伴うネガティブフィードバックの可能性がある。次にDCにおいてFoxO3a活性化と関連する分子としてTIM-3について検討した。TIM-3はHMGB1と核酸の複合体をリガンドとしてDCに対して抑制性シグナルを伝達することが知られている。腫瘍に浸潤したDCにおいてはFoxO3a活性化とTIM-3発現上昇が報告されている。単球系細胞株であるU937においてTIM-3を強制発現させたところU937の増殖が抑制され、FoxO3aの核への局在が増加していることが示された。TIM-3からの抑制性シグナルはFoxO3aを介して作用する可能性が示唆された。
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