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2012 年度 実績報告書

染色体転座におけるヒストン脱メチル化酵素の役割:ダイナミックな染色体構造の改変

研究課題

研究課題/領域番号 23791089
研究機関自治医科大学

研究代表者

和田 妙子  自治医科大学, 医学部, 助教 (30382956)

キーワード造血器腫瘍 / ヒストン脱メチル化酵素
研究概要

DNA二重鎖切断部位におけるLSD1の局在についてγ-H2AX抗体を用いた共焦点顕微鏡で調べた。LSD1は核全体に存在しており放射線照射後も大きな変化はなく、γ-H2AXとの共局在は証明できなかった。そこで、DNA二重鎖切断によるLSD1の発現量について経時的に調べたが、変化はみられなかった。
次に、正常細胞と白血病細胞におけるLSD1の質的・量的異常について調べた。LSD1タンパクの発現を調べると、正常細胞にはほとんど発現しておらず、白血病細胞では強発現していた。特に染色体転座を有する白血病細胞ではより強発現していた。哺乳類に発現しているLSD1にはエキソン2とエキソン8にアミノ酸が挿入されることで生じる4つのアイソフォーム(2a-/8a-, 2a+/8a-, 2a-/8a+, 2a+/8a+)が存在する。RT-PCR法にて血液細胞に発現するLSD1を調べると、2a-/8a-と2a+/8a-の2種が存在していた。さらに、CD34+CD38-の未分化な造血前駆細胞では2a-/8a-の発現が極めて低く白血病細胞では強発現していた。一方、HEK293細胞にHA-tagを付けたこの2つのアイソフォームを強発現させ、コファクターであるCoRESTとの結合を比較すると、2a-/8a-の方が強いことが分かった。また、H3K4とH3K9のヒストン脱メチル化活性を調べると、2a-/8a-の方が強いことが分かった。これらより、白血病化にはこの2a-/8a-の量的異常が関与していることが推測され、現在骨髄移植モデルを用いて造血器異常について調べている。
染色体異常の頻度の差をIn vivoの系で調べるため、Sca-1プロモーターを用いて造血幹細胞特異的にLSD1を強発現するトランスジェニックマウスを作製した。これらのマウスをコントロール群と放射線照射群にわけ、経時的に観察し解析を始めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Aberrant Expression of Histone Demethylase LSD1/KDM1A in Acute Leukemia Cells2012

    • 著者名/発表者名
      和田 妙子
    • 学会等名
      日本血液学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20121019-20121021

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公開日: 2014-07-24  

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