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2012 年度 実施状況報告書

新規IL-5Rα鎖の生物活性と好酸球分化機構における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791098
研究機関茨城大学

研究代表者

石原 研治  茨城大学, 教育学部, 准教授 (00312596)

キーワード好酸球 / IL-5
研究概要

気管支喘息などのアレルギー疾患の病態の進行には,白血球の一つである好酸球が深く関与している.好酸球は骨髄の造血感参謀から分化・成熟するが,このときに必須なサイトカインは IL-5 である.IL-5は分化・成熟した後の好酸球にも作用し,同細胞を活性化したりアポトーシスを抑制したりする.これまで IL-5 のターゲットとして IL-5Rα (variant 4) 鎖が同定され,IL-5 の作用はすべてこの既知 IL-5Rα 鎖 (variant 4) を介して発揮されるものと考えられていた.しかし,IL-5 が好酸球に対し分化誘導作用を発揮する分子メカニズムに関しては既知 IL-5Rα (variant 4) 鎖では説明できない点があり,本研究では,ヒト IL-5 レセプター (IL-5R) α 鎖の 2 つの新規 splicing variantsを同定し,variant 7 (AB288089) および variant 8 (AB288090) と命名して遺伝子データベースに登録した.また,IL-5Rα variant 7 & variant 8 は造血幹細胞に特異的に発現することを示唆する結果が得られ,この結果から IL-5 による造血幹細胞から好酸球への分化過程において variant 7 & variant 8 が何らかの役割を持つことが考えられた.現在,レトロウイルスベクターにこれらの遺伝子を組み込み,各種培養細胞や造血細胞にベクターを感染させ IL-5Rα variant 4、variant 7 および variant 8 を発現する細胞をクローニングししている,
また,Eosinophils in health and diseases という本が出版され,依頼を受けて「Chapter 4.2 Eosinophil cell lines 」を執筆した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は「造血幹細胞から好酸球への分化におけるIL-5Rα 鎖 variant 7 と variant 8 の役割を明らかにし、今まで未解明であった好酸球分化機構を説明すること」を目的とし、本成果は好酸球数の増加を好酸球の分化レベルで抑制する薬物の開発につながると考えられる。計画通りの進行ではないものの,震災の影響により研究を開始する時期が遅れてしまったことを勘案すればおおむね順調である.

今後の研究の推進方策

本研究は「造血幹細胞から好酸球への分化におけるIL-5Rα 鎖 variant 7 と variant 8 の役割を明らかにし,今まで未解明であった好酸球分化機構を説明すること」を目的とし,本成果は好酸球数の増加を好酸球の分化レベルで抑制する薬物の開発につながると考えられる.当初の計画通りの進行ではないものの,震災の影響により研究を開始する時期が遅れてしまったことを勘案すればおおむね順調である.

次年度の研究費の使用計画

次年度は直接経費が 700 千円であるので,研究を進めるための消耗品費と旅費での使用が主になると思われる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 健常者のアレルギー意識と社会的役割について2012

    • 著者名/発表者名
      熊谷仁美 ,石原研治
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要. 教育科学

      巻: 61 ページ: 279-298

  • [雑誌論文] アトピー性皮膚炎の子どもへの対応について2012

    • 著者名/発表者名
      熊谷仁美 ,竹下誠一郎,宮川八平,石原研治
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要. 教育科学

      巻: 61 ページ: 367-376

  • [雑誌論文] アレルギー疾患に対する養護教諭の保健指導の実態調査 : 主に保健指導に関する相談・困難について2012

    • 著者名/発表者名
      熊谷仁美 ,竹下誠一郎,宮川八平,石原研治
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要. 教育科学

      巻: 61 ページ: 377-385

  • [雑誌論文] アレルギー疾患に対する養護教諭の保健指導の実態調査 : 他の職種との連携及び学校生活管理指導表の活用の実態について2012

    • 著者名/発表者名
      熊谷仁美 ,石原研治
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要. 教育科学

      巻: 61 ページ: 387-396

  • [雑誌論文] Induction of thymic stromal lymphopoietin production by xylene and exacerbation of picryl chloride-induced allergic inflammation in mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Satou N, Ishihara K, Hiratsuka M, Tanaka H, Endo Y, Saito S, Iwakura Y, Leonard WJ, Hirasawa N.
    • 雑誌名

      Int Arch Allergy Immunol.

      巻: 157 ページ: 194-201

    • DOI

      10.1159/000327545

    • 査読あり
  • [図書] Eosinohils in Health and Disease2012

    • 著者名/発表者名
      (Ed) James J. Lee, Helene F. Rosenberg
    • 総ページ数
      654
    • 出版者
      Academic Press

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公開日: 2014-07-24  

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