研究課題
まず、初年度に問題となった、抗シトルリン化ペプチド抗体(ACPA)陰性リウマトイド因子(RF)陰性関節リウマチ(RA)血清8検体を用い、AlphaScreen法によって絞り込まれた自己抗原候補蛋白において、Western blot (WB) でのpositive controlとして用いた市販のモノクローナル抗体と、実際の患者血清との反応性の乖離について、本手法(AlphaScreen法)の今後を左右しかねない重大な問題と考え再検討を行った。しかし、結果は前回と同様で、いくつかの蛋白では市販のモノクローナル抗体では反応が認められなかった。このことから、無細胞系により作成された蛋白の中には、実際にヒトに存在する蛋白とは異なった組成、あるいは構造となってしまうものがある可能性が考えられたため、モノクローナル抗体によって反応が確認できた蛋白のみを有意なものとし、それらについてELISAで抗体価の測定を行っていくこととした。WBで反応が確認できた蛋白について、ELISAは大腸菌に発現させた市販のリコンビナント蛋白をELISAプレートに固相化し、100倍希釈血清を用いてアッセイを行った。しかし、これもスクリーニングに用いた血清で反応がみられないことがあり、各蛋白で陰性となる血清はまちまちであった。そのため、今度は市販のリコンビナント蛋白と、無細胞系で作成させた蛋白とでは、やはり組成が異なってしまった可能性、あるいは、ELISAであるため抗体が立体構造を認識していた可能性、が考えられた。以上の結果から、無細胞系により作成された蛋白を用いたAlphaScreen法による自己抗体の探索に際しては、スクリーニング効率は良いものの、候補蛋白につきWBおよびELISAでの確認作業がかなり必要であり、今後もひとつずつ行っていく予定である。
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