表皮γδT細胞(Dendritic Epidermal T cells:DETCs)特異的に発現する遺伝子の探索を行った。皮膚組織、腸管、脾臓の各組織からγδT細胞を調整し、マイクロアレイを用いてDETCsのみに発現する500遺伝子を得た。これらの主な内訳は、タイトジャンクション等の皮膚組織の構造に関するものや、細胞骨格に関連するもの、サイトカインやケモカイン等液性因子、細胞膜表面受容体、転写因子であった。中でも細胞膜表面受容体および転写因子に関しては、脳で発現が高いとされる遺伝子であることが分かった。その後、更に123遺伝子まで絞り込みを行った。 一方で、ハプテンを用いた接触性皮膚炎の実験手技および解析技術を習得し、接触性皮膚炎の病態形成に関わる可能性を有する数種類のサイトカインについてその役割を解析した(投稿準備中)。これらの解析結果や手技を活かし、接触性皮膚炎におけるDETCsの解析を行い、表皮におけるDETCsの存在割合が定常状態に比べ顕著に減少していることを見出した(未発表)。 以上の研究成果により、DETCsに特化した解析ツールの作成準備が整いつつあると同時に、その解析準備が整った。現在、DETCs特異的に発現する遺伝子について更なる絞り込みを行っており、まもなくDETCs特異的遺伝子が明らかとなることが見込まれ、その遺伝子をターゲットとしたDETCs欠損マウスおよびレポーターマウスの作成に着手する予定である。
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