ANCA関連血管炎患者における血清中のIL-33発現についての評価を行った。Human IL-33 ELISA Quantitation Kit (geneway)を用いANCA関連血管炎患者6名(Wegener肉芽腫 1名顕微鏡的多発血管炎 3名 チャーグ・ストラウス症候群 2名)について測定した。チャーグ・ストラウス症候群1名で2.254 pg/mlと血清中IL-33の上昇を認めたが、他の5名では感度以下であった。 Mast cellは血管壁および血管内皮細胞周囲に多数存在し、とくにラットアジュバンド誘導血管炎モデルでその活性化および病態への関与が報告されている。我々はマウス骨髄由来mast cellを用い、in vitroにてrecombinant IL-33刺激によるそのvaiabilityへの影響に関しての検討を行った。Reconbinant IL-33刺激群で有意なcell viabilityの上昇を濃度依存性に認めた。CFSE dilution assayでは細胞増殖を認めなかったため、apoptosis assay(Annexin V stain)を行い、IL-33がmast cellのapoptosisを阻害しcell viability上昇に寄与することを明らかにした。Mastcytosisは血管炎以外でも関節リウマチや特発性肺線維症で報告されており、そのメカニズムの解析は、血管炎以外の難治性疾患における病態解明にも寄与する可能性が示唆される。Apoptosis阻害作用に関してはIL-33刺激により、antiapoptotis分子であるBcl-XLの発現上昇を認め、apoptosis阻害効果に寄与していると予測される。
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