レプトスピラ症は熱帯途上国を中心に流行しており、しばしば重症化や致死的な転帰を引き起こす。有効な治療薬はあるので、早期に診断、治療開始できれば速やかな回復を期待できるが、現況の診断法では感度・特異度に問題あり、早期診断も困難である。また、こうした診断の問題点から熱帯途上国での正確な流行状況は把握できていない。本研究では組み換え抗原(LipL32及びLigA)を用いた新たなELISA法を開発し、実際の流行地域であるタイ、スリランカ及びベトナムから得たサンプルでその有効性を検討した。また、ベトナムでは主な媒介動物である野鼠を調査し、レプトスピラの保菌状況を明らかにした。
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