本邦の高病原性の肺炎桿菌の疫学、病態について研究した。他国で高病原性の肺炎桿菌として注目されている莢膜遺伝子型K1株およびK2株、rmpA遺伝子保有株が本邦の臨床分離株においても稀ならず存在していることを示した。また、本邦のK1株は全国各地に拡散しているにも関わらず、遺伝学的同一性が高いことを解明した。加えて、血液培養から分離された侵襲性感染症起因菌株に限定しても、これらの高病原性株の頻度は臨床分離株全体を対象とした場合と大差がないことを確認した。また、本邦で分離されたK1株を用いたBalb/cマウス感染モデルの検討を行い、ヒトと類似の肝膿瘍に至る感染モデルが再現可能であることを示した。
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