先天性心疾患に伴う肺高血圧に関して、高感度トロポニンIが肺高血圧患者で有意に上昇が見られ、肺体血圧比(Pp/Ps)と良く相関していることがわかった。また、心臓MRI検査を実施し、流速波形から求めるMCFRがカテーテル検査で求めたPp/Psと良く相関していることを突き止めた。さらに、川崎病冠動脈病変を遠隔期まで有する症例は肺血管床のコンプライアンスが悪いことがわかった。肺高血圧患者の病態の解明に一定の成果が得られたが、次世代型DNA解析システムを用いた先天性心疾患における肺高血圧をもたらす遺伝子多型の調査は、現在データ解析中であり、今後も引き続き研究を継続していく必要がある。
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