今後の研究の推進方策 |
樹立したiPS細胞に、targeting vectorによる遺伝子導入を行い、相同組換えによる変異の修復を行う。遺伝子導入後にデオキシアデノシン処理により、遺伝子修復クローンのみ選択し、シークエンス反応にて変異の修復を確認する。in vitroにおいてADA活性を確認後にOP-9ストローマ細胞上にてサイトカイン (BMP4,VEGF, SCF, FGF, TPO, Flt ligand)存在下で培養することにより、CD34陽性細胞へ分化誘導させる。In vitroにて各血球系に分化させ、各血球におけるADA活性を測定する。iPS由来CD34陽性細胞の分化能を、ヒト造血幹細胞が高率に生着できるNOG(NOD-scid/gamma chain null)マウスを用いて検討する。マウス胎生10.5日目のaorta-gonad-mesonephros: AGM領域由来の細胞株:AM20.1B4と、泌尿生殖器由来の細胞株:UG26.1B6を用いて造血幹細胞へ分化誘導し、その後NOGマウスの骨髄腔に直接注入する。移植3-5ヶ月後のマウスの末梢血にてヒトリンパ球の発生およびADA活性を評価し、遺伝子修復法による遺伝子治療の効果を検証する。
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