研究課題
臨床症状からRAS/MAPK症候群が疑われる患者の検体を収集し、既知の原因遺伝子であるPTPN11、HRAS、KRAS、BRAF、MEK1/2、SOS1、RAF1、SHOC2のキャプラリーシークエンサーによる遺伝子解析を行った。これは、患者の臨床症状と遺伝子型の関連を明らかにする上で重要である。さらに新たな手法として、小型の次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析が可能か検討を行った。解析対象領域のライブラリ作成手法としては、超音波によるゲノムDNA断片化を行った後に相補的RNAを用いハイブリダイズによって抽出する方法、および8種類の制限酵素を用いて断片化を行い、相補的DNAを環状になるようハイブリダイズさせ抽出する方法を用いた。制限酵素を用いて断片化する手法では、同じ領域でもサンプルによって解読が可能の場合とそうでない場合が見られた。これはsingle nucleotide polymorphysmのため、DNA断片化の段階で検体間の差が生じるためと考えられた。また、比較的配列内でのGC率が高いとされる第一エクソンではいずれの方法でも解読が困難な場合が散見された。これらの領域を解読するためには、サンプルあたりのデータ量を増やすか、従来のキャピラリーシークエンサーでの補完が必要と考えられた。次世代シークエンサーを用いた解析では短時間で多くのデータが得られ、数多くの遺伝子を解析する場合においては効率改善が期待されるため、その実際の運用にあたり、正確性の検証は重要である。
3: やや遅れている
遺伝子解析に新たな手法を取り入れ、より効率的な解析が行えるようになりつつある。エピジェネティクス解析については平成25年度に行う予定である。
新しい手法の検証にはさらなる症例の蓄積が必要であるため、引き続きRAS/MAPK症候群の遺伝子解析研究を行う。ターゲットリシークエンスで変異の同定されなかった症例については、アレイCGH、場合によってはMLPA法にてゲノムの全領域のコピー数について検討する。患者で同定された遺伝子変異を導入した細胞でのメチル化解析を行う。
該当なし
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