研究課題
我々の研究の目標は、抗癌剤に対する薬剤耐性メカニズムを解明し、克服することである。その中でもABCトランスポーターである多剤耐性関連蛋白質(MRP1)に注目し、研究を行った。まずモジュレーター候補薬剤の選定とMRP1機能解析による証明を行った。耐性細胞株の樹立に関しては、低濃度抗癌剤添加による耐性細胞選択法によって、樹立することができた。またMRP1cDNAをMRP1が発現していないHEK293にトランスフェクトさせ、MRP1高発現細胞株の樹立に成功した。これらに対して、モジュレーター候補薬剤添加後の薬剤感受性試験として、MTTアッセイを行った。さらにモジュレーター候補薬剤添加後の蛍光色素排出能試験、モジュレーター候補薬剤添加後のMRP1発現を行い、その機能解析を行うことができた。さらに、モジュレーター候補薬剤のMRP1に対する薬理作用の検討として、細胞内グルタチオン濃度測定、ATPaseアッセイ、アポトーシス経路、細胞周期の測定を行った。さらに、MRP1における遺伝子多型と機能解析、モジュレーターに与える影響を解析した。これらのMRP1モジュレーターによる抗癌剤の耐性克服に関する研究は、今後のオンコロジーリサーチの中でも注目されていく結果となった。
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