本年度に当研究対象者の紹介受診は73名あり、ランダム化比較試験へ研究参加に適合し同意された登録症例数は30例であった。これら症例についてITT解析を行ったところ、SCORADは両群ともに初期値より有意に改善するものの12ヶ月後では標準治療群(R群)よりプロアクティブ療法群(P群)で有意に改善傾向を認めた。また血清TARCはP群で初期値より有意に改善が認められ、本治療の有効性と同時にTh2に偏位した免疫バランスが是正される事が示唆された。また、ダニ特異的IgE陰性症例が1年後に陽転した割合は有意にR群で高く、本治療が将来のアレルギーマーチ進展を抑える可能性を示唆した。ステロイド外用消費量および局所副反応およびrACTH負荷試験では両群で差はなく、安全性に問題を認めなかった。 初年度の報告活動として、当科通院患者を対象とした後方視的検討を行い本治療法の①有効性と②安全性を検証し報告した。①「Possible preventive effect of proactive therapy on house dust mite and pollen sensitization in childhood atopic dermatitis」欧州アレルギー学会(EAACI):abstract awardを獲得)、②「Systemic tolerability of intermittent topical corticosteroid therapy using salivary cortisol measurements in infants with atopic dermatitis」米国アレルギー学会(AAAAI) 次年度の報告活動として、米国アレルギー学会AAAAI、および韓国アレルギー学会KAAACIにおいてランダム化比較試験の報告を行った。
|