研究概要 |
我々はこれまでに、妊娠ラットにサリドマイドを投与することにより発症させた自閉症モデルラットにおいて、自閉症の特徴であるセロトニン神経系の異常、セロトニン神経の起始核である縫線核の異常や行動異常が起こることを明らかにしている。平成25年度までに、本研究では、この自閉症モデルラットにおいて、運動中枢である小脳に形態学的な異常、具体的には、小脳の出力細胞であるPurkinje細胞の減少が見られることを明らかにした。最終年である平成25年度は、これまで未解明であったセロトニン以外のモノアミンに関して解析を行った。その結果、海馬のノルアドレナリン含量、線条体のノルアドレナリン含量、ドーパミン含量に違いが見られなかった。さらに、ドーパミンの代謝産物である3, 4-ジヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン酸の含量も測定したが、変化は見られなかった。またこれらの成果は、2012年9月に日本神経科学会(名古屋国際会議場、愛知県名古屋市)、2013年3月に日本解剖学会(シンポジウム)(サンポートホール高松、香川県高松市)、2013年6月に日本神経科学会(国立京都国際会館、京都市左京区)において発表を行った。
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