研究概要 |
23、24年度の実験成績に基づいて、室傍核におけるノルアドレナリン神経系、α1アドレノセプターおよびプロスタノイド(プロスタノイド受容体)の関係を申請者らの研究室のUsuiらの方法に従って(Usui et al.,2009,Auto Neuroscience,146,111-114.)、免疫組織化学法を用いて形態学的に検証を進めた。 GLP-1を脳室内に投与し、室傍核における神経細胞の活性化を最初期遺伝子産物であるFosに対する抗体(Ab-5,Oncogen)を用いて、交感神経系出力に関係の深い室傍核のdorsal cap, ventral region, lateral region を中心にFos 陽性細胞のスクリーニングを行なった。室傍核の上記3領域の Fos陽性細胞を確認したため、α1アドレノセプターに対する抗体(市販)とFosとの二重染色を行い、両者の共存する細胞が存在するか否かを調べたが、α1抗体による検出が十分ではなく、抗原の賦活化などを取り入れながら検討中である。 市販の抗体による免疫組織学的解析では、検出困難であることがわかり、改善策を模索中である。しかし、脳室内投与したGLP-1によって、視床下部室傍核における2種類のプロスタノイド(TxA2およびPGE2)を同時に測定できる実験系が新たに立ち上がり、 内因性のプロスタノイドが需要な役割を果たしていることの直接的な証拠が得られた。
|