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2013 年度 実績報告書

子宮内発育遅延児の成長ホルモン治療による代謝・免疫学的応答と遺伝学的背景の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23791184
研究機関九州大学

研究代表者

石井 加奈子  九州大学, 大学病院, 特任講師 (90400332)

キーワードSGA性低身長 / 成長ホルモン
研究概要

【対象】SGA性低身長患者24名、対照者24名。
【方法】患者に対して成長ホルモン(ソマトロピン) 0.23mg/kg/週を投与し、治療開始前、開始後1、3、6、9、12ヶ月に検体を採取し、それぞれの検体でIGF1、HbA1c、総Cho、LDL-C、HDL-C、各種アポ蛋白を測定した。さらに末梢血中の各種血球数・白血球分画の測定を行い、フローサイトメトリーにてリンパ球における各種細胞の割合を解析した。治療前の患者群と対照群の値を比較し、患者群における治療開始後の値を治療前と比較し検討した。
【結果】身長SDSは治療12ヶ月後には平均+0.63SDの改善を認めた。IGF1は治療開始後1ヶ月より有意に上昇した。HbA1cは治療前患者群では対照群より有意に高かったが、GH治療後の上昇は認めなかった。治療前患者群の脂質の値は対照群と差がなかったが、GH治療後LDL-Cは有意に低下した。GH治療後、ApoA1・A2、ApoC2・C3、ApoEは有意に上昇し、ApoBは有意に低下した。患者群では白血球数・好中球数が対照群より少なく、リンパ球数が対照群より多い傾向があったが、GH治療後、白血球数・好中球数・リンパ球数は有意に変化し対照群に近づいた。患者群では対照群に比べてBリンパ球の割合が少なくNK細胞の割合が多い傾向があったが、GH治療後には対照群に近づく変化を示した。
【考察】治療前の患者群と対照群でIGF1値に差はなく、本研究で認めたSGA性低身長児の特徴はGH分泌の差異によらないことが示唆された。SGA児では治療前よりHbA1cが対照より高く、小児期より耐糖能異常が生じている可能性があるが、本研究ではGH治療後にHbA1cの有意な上昇は認めず、GH治療が必ずしも糖尿病リスクの上昇につながらない可能性がある。GH治療は脂質代謝を改善させることが示唆されたが、アポ蛋白が脂質代謝の変化に関与している可能性がある。また、GHはSGA児の持つ免疫学的特徴を健常児に近づける作用を持つ可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] SGA性低身長に対する成長ホルモン治療による代謝・免疫学的影響の検討2014

    • 著者名/発表者名
      石井加奈子、井原健二、大久保一宏、松尾光通、戸田尚子、原寿郎
    • 学会等名
      第87回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20140424-20140426

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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