研究課題/領域番号 |
23791198
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
清水 美妃子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40338968)
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キーワード | チアノーゼ性先天性心疾患 |
研究概要 |
本研究の目的は、チアノーゼ性先天性心疾患における、血小板活性化の機序、特に血管内皮機能との関連、アスピリン耐性との関連、遺伝要因との関連について調べることである。 1.血小板活性化:先天性心疾患患者から採血し、P-selectinに対するmonoclonal抗体と、フローサイトメトリー(FACS caliber flow cytometer) を用いて血小板P-selectin発現を測定した。非チアノーゼ性先天性心疾患患者10名、チアノーゼ性先天性心疾患患者20名について調べた。 2.血小板凝集能亢進と血小板活性化(P-selectin発現)の関係:上記の患者10名づつ、血小板凝集能を測定した。またずり応力下での血小板活性化を血小板機能分析計(PFA100)を用いて測定した。さらにフローサイトメトリーを用いて血小板P-selectin発現を測定した。 3. 血小板の活性化と血栓症発症の関係:先天性心疾患において血栓塞栓症を合併した患者について、血小板の活性化と血栓症発症の関係について調べた。 4. 血小板活性化の因子:血小板活性化の因子として、短絡の有無、狭窄の有無、低酸素血症、多血症などと血小板活性化の関係を後方視的に調べた。 5.内皮機能と血小板機能の関係:先天性心疾患において内皮機能と血小板機能の関係をしらべた。血小板活性化を測定するとともに,内皮機能低下のマーカーとして血漿トロンボモジュリンを測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アスピリン抵抗性の患者の数が少ないため、アスピリン抵抗性の患者と抵抗性のない患者の2群間の比較が十分にできていない。患者数を増やし、検討を進める。 血小板活性化: 先天性心疾患患者から採血し、P-selectinに対するmonoclonal抗体と、フローサイトメトリー(FACS caliber flow cytometer) を用いて血小板P-selectin発現を測定している。非チアノーゼ性先天性心疾患患者、チアノーゼ性先天性心疾患患者の数がまだ少ないので数を増やす。 先天性心疾患において内皮機能と血小板機能の関係を明らかにするため、内皮機能を測定しているが、患者の数がまだ少ないので更に数を増やす。
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今後の研究の推進方策 |
血小板によるトロンボキサンA2の産生と、内皮細胞によるプロスタサイクリン産生について研究する。 血小板によるトロンボキサンA2の産生と、内皮細胞によるプロスタサイクリン産生のバランスと、血小板凝集能の関係や、血栓症発症との関係について調べる。血小板活性化を測定するとともに,トロンボキサンA2産生のマーカーとして尿中 11-dehydro thromboxane B2 を測定する。また、プロスタサイクリン産生のマーカーとして尿中 6-oxo-prostaglandin F1αを測定する。非チアノーゼ性先天性心疾患患者50名、チアノーゼ性先天性心疾患患者50名について調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
血小板機能測定の試薬購入に大部分を使用する。 血小板活性化、血小板凝集能、血液凝固因子を測定する。 トロンボキサンA2産生のマーカーとして尿中 11-dehydro thromboxane B2 を測定する。プロスタサイクリン産生のマーカーとして尿中 6-oxo-prostaglandin F1αを測定する。 シクロオクゲナーゼや糖タンパクIIb/IIIa受容体の遺伝子多型解析を行う。
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