研究概要 |
H24年度は確立した消化管機能検査を重症心身障碍児に施行し、順調にデータを採取出来た。食道インピーダンス検査機器はH23年度は21例に施行したが、さらに42例に施行した。各パラメータの解析では全逆流エピソードのうち約30%が非酸性逆流であり、約半数の逆流は上部食道にまで達する誤嚥性肺炎の危険性の高い逆流エピソードであった。また対象症例の約20%が弱酸性優位の胃食道逆流症を認めていた。食道インピーダンス検査機器のパラメータは噴門形成術後の食道運動機能の解析に有用である可能性が示された。Breath IDはH23年度に9症例施行していたが、H24年度はさらに26症例に同検査を施行しデータを採取することが出来た。検討症例で胃排出能を検討するパラメータとしてT1/2 Tlag値を解析した。重症心身障碍児においては全症例で重症心身障碍児ではない症例と比較して優位に両パラメータが延長しており、重症心身障碍児は胃排出能の遅延が顕著であることが明らかとなった。 これらの成果はXXV International Symposium on Paediatric Surgical Research (H24.9.21.22, ロンドン)において発表した。 また研究内容の成果の一部は「Pre and Post-operative Evaluation of Gastroesophageal Reflux and Esophageal motility in Neurologically Impaired Children Using Combined pH - Multichannel Intraluminal Impedance Measurements 」の題名で英文誌(Pediatric Surgery International)に投稿し、採用された。
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