RSVは軽症の感冒様症状から下部気道感染にいたるまで様々な疾患を引き起こし、特に生後8週から30週の乳幼児が感染すると重症化しやすい。ワクチン開発は困難で成功しておらず、インフルエンザにおけるタミフルのような抗ウイルス薬の開発が待たれる。本研究では、RSV低感受性のMDCK細胞と感受性細胞由来のcDNAライブラリーを用い、RSVの抗ウイルス薬開発のための標的となりうる、ウイルス複製に関与する細胞宿主因子の特定を試みた。結果として、Ephrin-B2、RARRES2、CCL2発現がウイルス複製を上昇させた。今後はこれらの分子がどのようにRSV複製に関与しているかを調べていく必要がある。
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