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2012 年度 実施状況報告書

ライソゾーム病モデル動物に対するヒトiPS細胞及び体性幹細胞による治療戦略の創成

研究課題

研究課題/領域番号 23791208
研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

神崎 誠一  独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 研究員 (20589741)

キーワードライソゾーム病 / 成育医療 / 再生医療
研究概要

ライソゾーム病のひとつであるサンドホフ病(SD)は、ライソゾーム酵素βヘキソサミニダーゼ(Hex)のβ 鎖遺伝子(HEXB)の遺伝的欠損により、基質であるGM2 を主体とする糖脂質、オリゴ糖などが主に中枢神経系の神経細胞等のライソゾームに蓄積し、重症型では重篤な神経症状を呈して乳児期に死亡する病気である。現時点では細胞移植治療は先天性代謝異常症に対する唯一の根治治療法であり、今後これらの細胞を用いた安全的かつ安定的な新規細胞移植治療の開発が切望されている。本研究はヒト間葉系(幹)細胞およびヒトiPS 細胞をライソゾーム病のモデルマウスに対して移植し、治療効果および安全性を総合的に解析・評価することを目的としている。
今年度の実績:(1)治療効果を確認するためのin vitro系を構築する目的でSDマウスより線維芽細胞株(SD cell)を樹立した。SD cellにおいてはHex活性が低下しており、治療モデルとして有用であることが確認された。続いて、治療効果を確認する細胞として、iPS細胞より分化させた細胞を選択した。この細胞をSD cellと共培養した結果、SD cellに酵素が取り込まれた。(2)昨年度に作製したSD-scidマウスに対してiPS細胞を移植し細胞治療を試みた。移植して約50日後に血清中のHex活性を測定したところ、正常マウスの5~15%程度まで酵素活性が回復した。組織中の酵素活性を測定したところ、心臓および腎臓においてはHex活性の上昇が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に引き続きin vitro共培養系での治療効果を検討した結果、有効性を見出すことができた。昨年度にSD-scidマウスが作製されているため、本年度ではin vivoの移植実験もスムーズに進めることができたため、当初の計画に沿った内容でおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後はin vivoでの移植実験を主体とし、有効性と安全性のバランスを考えて投与量を最適化する予定である。また、臨床での使用を想定して、免疫抑制剤を併用しながらSDマウスに移植していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成25年3月31日現在で発生していた残額については、既に3月中に支払い予定が確定しているため、25年度中に使用する予定はない。当初の交付申請通りの研究費にて研究資材、研究試薬、実験動物を購入予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 先天代謝異常症に対する細胞治療2012

    • 著者名/発表者名
      神崎誠一
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会 第57回大会
    • 発表場所
      京王プラザホテル
    • 年月日
      20121024-20121027

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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