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2013 年度 実施状況報告書

ライソゾーム病モデル動物に対するヒトiPS細胞及び体性幹細胞による治療戦略の創成

研究課題

研究課題/領域番号 23791208
研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

神崎 誠一  独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 研究員 (20589741)

キーワードライソゾーム病 / 成育医療 / 再生医療
研究概要

ライソゾーム病のひとつであるサンドホフ病(SD)は、ライソゾーム酵素βヘキソサミニダーゼ(Hex)のβ鎖遺伝子(HEXB)の遺伝的欠損により、基質であるGM2を主体とする糖脂質、オリゴ糖などが主に中枢神経系の神経細胞等のライソゾームに蓄積し、重症型では重篤な神経症状を呈し乳児期に死亡する病気である。現時点では細胞移植治療は先天性代謝異常症に対する唯一の根治治療法であり、今後細胞を用いた安全かつ安定な新規細胞移植治療の開発が切望されている。本研究はヒト間葉系(幹)細胞及びヒトiPS細胞をライソゾーム病のモデルマウスに対して移植し、治療効果および安全性を総合的に解析・評価することを目的としている。
今年度の実績:(1)細胞治療に用いる細胞についての薬理メカニズムの検証を試みた。ライソゾーム酵素の細胞内およびライソゾーム内への取り込みは、マンノース6リン酸(M6P)残基-M6P受容体を介して行われる。各種細胞・組織から分泌されるHexにM6Pが修飾されているかどうかを確認した結果、骨髄由来単核細胞では12%の付加率であり、正常ヒトiPS細胞を移植した組織では9%程度の付加率であった。この結果をもとに移植量について検討が可能となった。(2)細胞治療の有効性評価を行うためのSD-Scidマウスに対する移植試験についてデータの蓄積をはかった。(3)細胞治療においては、有効性と共に安全性の確保が重要となる。移植されたマウスの一般毒性状態を検討した結果、移植後2週において、死亡発現、一般状態、体重推移、剖検所見に異常は認められずなかった。今後、安全性を確保するために、体内動態評価と造腫瘍評価を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitro試験については、細胞モデルの治療効果の確認に加え、薬理作用機序のデータの取得に成功した。また、in vivo試験についても、SD-scidマウスの供給可能な範囲でデータの取得が進んでいるため。

今後の研究の推進方策

SD-scidマウスに対するin vivo薬効確認試験を継続する。また、細胞移植治療において重要な安全性の確認として、体内動態評価と造腫瘍評価を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究はほぼ計画通り進捗している。今年度繰り越し経費が27万円ほど発生したが、これは次年度以降に実施予定の安全性確認試験のための試料検体数の調整を行ったためであり、全体の研究進捗への影響はなく、次年度に速やかに計上する予定である。全体として今後も計画に沿って研究を進めていく。
各種細胞の培養を行うために必要な培地、培養皿などの試薬、消耗品
安全性確認試験を行うための試薬

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公開日: 2015-05-28  

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