手足口病の流行様式を解明するため、コクサッキーウイルスA6型(CA6)、A16型(CA16)とエンテロウイルス71型(EV71)の抗原性状の変化や富山県民の抗体保有状況を調べた。1981~2015年に分離されたCA16とEV71のカプシド蛋白質全862アミノ酸のうち、分離株間のバリエーションはそれぞれ35か所、34か所でみられ、抗原決定基の近くにも存在した。1995年と2007年のCA16分離株のウサギ免疫血清に対する中和抗体価は1981~2012年の分離株間ではほぼ同等であった。CA6の流行前の抗体保有状況は流行後と比較して0~6歳で低く、流行要因の一つと考えられた。
|