神経管閉鎖障害を示すSIP1ノックアウトマウスを、二分脊椎症のモデル動物として解析し、神経管閉鎖障害のメカニズムを解析することを目的として研究を行った。SIP1ノックアウト胚では、細胞の収縮を担うべき分子が、神経管の収縮側への局在が観察されず、寸断化していることが明らかになった。また、正常胚では、神経管が閉じる背側部位に局所的に見られるBMPの入力シグナルが、SIP1ノックアウト胚では見られなかった。SIP1ノックアウト胚の一部の神経外胚葉は、上皮様の小疱が形成され、神経への分化にも異常が見られていた。本研究により、これまで知られていなかった二分脊椎症の発症原因の特定につながる成果が得られた。
|