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2012 年度 実施状況報告書

III型ナトリウム-リン酸共輸送担体Pit-1のリン酸再吸収への関与

研究課題

研究課題/領域番号 23791216
研究機関地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所)

研究代表者

山崎 美和(若林美和)  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, 研究員 (50455549)

キーワードPit-1 / リン / くる病
研究概要

III型ナトリウム‐リン酸(Na+/Pi)共輸送担体であるPit-1/Slc20a1は、ユビキタスに発現しており、無機リン酸の細胞内への輸送に関わる共輸送担体であるが、その機能については不明な点が多い。研究者らは細胞外無機リン酸応答性の分子機序について解析を行い、Pit-1が細胞外無機リン酸応答性に関与すること、さらにリン酸利尿因子であるFGF23により惹起されるシグナルと細胞外無機リン酸シグナルが、PiT-1とFGF受容体(FGFR)を介して下流のシグナルを共有することを明らかにした(Yamazaki M. et al. J Cell Biochem, 2010, Kimata M. et al. Bone, 2010)。リン酸トランスポーターであるPit-1を介するシグナル伝達にリン酸の細胞内流入が必要であるのかという点や、FGFRとの間に介在する分子機序が興味の持たれるところであり、はじめにこの点について、野生型ヒトPiT-1発現ベクターを構築し解析を行った。ヒト胎児腎臓由来細胞株であるHEK293細胞を使用し、導入した野生型hPiT-1の発現を確認したところ、糖鎖付加などによる翻訳後修飾を受け、より成熟した分子として形質膜に発現していることが確認できた。また、RIを用いたPi uptake assayにより野生型hPiT-1が機能的に発現していることも確認した。さらに、リン輸送能を欠くPiT-1変異体hPiT-1[S128A] (Beck L, et al. J Biol Chem, 2010)発現プラスミドを構築し、Pi uptake assayによりhPiT-1[S128A]が予測通りリン酸輸送能を欠いていることを確認した。今後、リン酸輸送能を欠くこの変異体が細胞外無機リン酸シグナル応答性に与える影響について検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

III型Na+/Pi共輸送担体であるPit-1の機能について、野生型PiT-1およびリン酸輸送能を欠くPiT1変異体を使用した解析を進めているため。またマウスを使用したin vivoでの解析も予定しているため。

今後の研究の推進方策

今後、リン輸送能を欠くPiT-1変異体を使用し、細胞内へのリン輸送と細胞外無機リン酸シグナル応答性との関連について検討する予定である。また、マウスにリン酸利尿因子であるFGF23組換え蛋白を投与し、in vivoにおいてもFGF23と細胞外無機リン酸が、Pit-1とFGFRを介して下流のカスケードを共有する機構が存在するかどうかについても検証する。また、マウスを使用し、食事からのリンの影響による腎臓でのPit-1の発現および局在変化についても検討する。

次年度の研究費の使用計画

産前産後の休暇および育児休業による研究中断:平成25年1月19日から平成26年3月31日

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Sodium-coupled neutral amino acid transporter 4 functions as a regulator of protein synthesis during liver development.2013

    • 著者名/発表者名
      Kondou H, Kawai M, Tachikawa K, Kimoto A, Yamagata M, Koinuma T, Yamazaki M, Nakayama M, Mushiake S, Ozono K, Michigami T.
    • 雑誌名

      Hepatol Res

      巻: 43 ページ: 1211-23

    • DOI

      10.1111/hepr.12069

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FGF23 suppresses chondrocyte proliferation in the presence of soluble α-Klotho both in vitro and in vivo.2013

    • 著者名/発表者名
      Kawai M, Kinoshita S, Kimoto A, Hasegawa Y, Miyagawa K, Yamazaki M, Ohata Y, Ozono K, Michigami T.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 288 ページ: 2414-27

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.410043

    • 査読あり
  • [学会発表] Osteoclastic Bone Resorption might be Involved in the Secretion of FGF23 into Circulation2012

    • 著者名/発表者名
      山崎美和
    • 学会等名
      The 34th annual meeting of the American Society for Bone and Mineral Research
    • 発表場所
      Minneapolis, U.S.A.
    • 年月日
      20121012-20121015
  • [学会発表] FGF23の血中分泌過程における破骨細胞性骨吸収の関与の可能性2012

    • 著者名/発表者名
      山崎美和
    • 学会等名
      第30回日本骨代謝学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120719-20120721
  • [備考] 研究内容、環境影響部門、大阪府立母子保健総合医療センター研究所

    • URL

      http://www.mch.pref.osaka.jp/laboratory/environment/content.html

  • [備考] 業績、環境影響部門、大阪府立母子保健総合医療センター研究所

    • URL

      http://www.mch.pref.osaka.jp/laboratory/environment/work.html

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公開日: 2014-07-24  

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