Ⅲ型ナトリウム‐リン酸共輸送担体であるPit-1は、ユビキタスに発現しており、無機リン酸の細胞内輸送に関わる共輸送担体であるが、その機能については不明な点が多い。筆者らは、細胞外無機リン酸シグナルとリン酸利尿因子であるFGF23により惹起されるシグナルが、Pit-1とFGF受容体を介して下流のカスケードを共有することを明らかにした。今回、ヒトのX染色体優性低リン血症性くる病のモデルであるHypマウスから骨芽細胞、骨細胞を単離し、Hypマウスにおける骨芽細胞、骨細胞における出生後のPit-1の発現レベルの増加は、血清リン値の低下に伴った代償的作用であることが示唆された。
|